福岡市早良保健福祉センターに来所した乳幼児に対する口腔内ケアの実態調査

概要

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近年,口腔ケアの意識の高まりと共に,小児齲蝕は減少していると言われており,2004年における福岡市の歯科健診結果でも,同様な傾向が示されている。しかし一方で,1歳児でも3.3%に,また,3歳児でも54.8%に齲蝕罹患者が認められている。生後3か月児になると,既に齲蝕の原因菌であるS.mutansが認められたという報告がある。また,生後12か月では37%,生後24か月では79%もの幼児が母親のS.mutansに感染しており,S.mutansの母子感染が示されている。したがって,乳幼児期からの齲蝕予防のために指導,管理の徹底が必要である。乳幼児期における口腔内ケアに対する保護者の意識,ならびに歯磨剤の使用状況が調査されている。しかし,5歳児における齲蝕処置完了者率が,1989年の調査では27.5%,2003年では38.0%と10.5%増加していることから,保護者の意識レベルも向上していると予想される。そこで,乳幼児における口腔清掃の状況と口腔衛生に関する保護者の意識を調べ,また,指導,管理を行う側の期待と比較し,今後の小児齲蝕減少のための検討を行うことにした。
福岡歯科大学学会の論文