高齢者に発症した大動脈弁置換術後, Stanford A型急性大動脈解離を保存的に経過観察しえた1例
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概要
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症例は87歳, 男性.3年前に重度の大動脈弁閉鎖不全症に対し, 大動脈弁置換術を受けた.失神を主訴に救急車で来院し, 心筋梗塞が疑われ施行した心臓カテーテル検査で左冠状動脈主幹部自体にまで解離が及ぶStanford A型の急性大動脈解離と診断された.しかし心タンポナーデなく, 超高齢者かつ全身状態が安定していたため降圧療法を主体とした保存的治療を選択し救命しえた.大動脈弁置換術後は, 初回手術時の大動脈径によっては急性大動脈解離の発症も念頭においた血圧コントロールの厳密な管理が必要である.また, 急性上行大動脈解離の治療方針は手術が第1選択ではあるが最終的には患者の全身状態から総合的に判断することが重要であると思われた.
- 2005-09-15
著者
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