腹部限局型解離性大動脈瘤の1治験例
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概要
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難治性右下腿潰瘍を契機に診断された腹部限局型解離性大動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は62歳, 男性.高血圧症, 高脂血症の既往がある.左下肢蜂窩織炎と吐血を主訴に他院に入院した.入院後, 髄膜炎による意識障害と著しい白血球増多を呈した.播種性血管内凝固症候群を合併しメシル酸ガベキサートの投与を受け, 点滴漏れを起こした右下腿部に皮膚潰瘍が発生した.1年あまりの間に植皮術を含めて数回の手術を受けたが難治性であり, 間歇性跛行を訴えたことから血流障害を疑われた.血管造影およびCT検査により, 腹部限局型解離性大動脈瘤と右総腸骨動脈閉塞と診断され, 手術目的に当院に入院した.腹部正中切開で手術を行い16×8mmのY型人工血管を用いて腎動脈下腹部大動脈から両総腸骨動脈を置換した.手術後は良好に経過し, 4週目に退院した.腎動脈下腹部限局型解離性大動脈瘤の手術適応については, 通常の腹部大動脈瘤と同様と考える.
- 2005-09-15
著者
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