右人工気胸術後高齢者動脈管開存症の1治験例
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概要
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症例は75歳,女性.25歳時,肺結核に対し右人工気胸術を受けた既往がある.幼少時より心雑音を指摘されていたが無症状で放置されていた.加齢とともに徐々に労作時呼吸苦が増悪し,75歳になり酸素投与を必要とするようになった.精査の結果,肺体血流比(Qp/Qs)1.89の動脈管開存症と診断した.動脈管には石灰化を認めた.右人工気胸術後の低肺機能に動脈管開存症による肺高血圧が加わっての呼吸苦と診断し,胸骨縦切開,人工心肺下経肺動脈的に動脈管開口部をパッチ閉鎖した.術後2日間の人工呼吸管理を必要としただけでなく,4週間にわたっての酸素投与を必要としたが,その後は良好な経過を辿っており,高齢者であっても積極的に動脈管閉鎖術を行うべきと考える.
- 特定非営利活動法人日本心臓血管外科学会の論文
- 2003-09-15
著者
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