自己組織化マップの顎顔面形態の分類への応用

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自己組織化マップ(self-organizing map:SOM)は,ニューラルネットワークの一種で,多次元情報のくり返し学習により情報の分類を行い,さらに分類結果を2次元のマップ上で視覚的に評価することができる.本研究ではSOMを用いて顎顔面形態マップを作成し,クラスター分析との比較から形態分類における有効性を検討した.資料として,前歯部反対咬合を呈する女子91名(平均年齢8.1±1.0歳)の側面頭部X線規格写真を用い,頭蓋顔面各部の17項目の計測を行った.各個体の計測値を全個体の平均値と標準偏差をもとに標準化得点に換算し,SOMに与える入力データとした.顎顔面形態マップを作成するにあたっては,15×15,20×20,25×25および30×30ユニットのサイズの異なるマップを用意し,学習回数を100万回として4種類の反対咬合形態マップを作成した.さらにクラスター分析によって分類された個体をグループ別に標識してマップに写像し,SOMの有効性を検討した.その結果,マップのサイズが小さい場合には,各グループの個体の分布領域にグループ間の重なりが大きかったが,サイズが大きくなるにつれて重なりは小さくなり,30×30ユニットでは各グループの領域の識別が容易であった.また,各グループの平均形態をマップ上で探索して分布領域との位置関係を評価することで,平均形態としての妥当性を検証することが可能であり,さらに平均形態とグループ内の各個体との類似性を評価できることが確認された.以上のことより,マップ上で個体間の形態類似性の相互関係を視覚的に評価できる分類手法として,SOMの有効性が示唆された.

自己組織化マップの顎顔面形態の分類への応用

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