半球損傷患者の垂直判断と体幹バランスの関係について
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概要
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半球損傷患者の損傷側の違いによる体幹バランス能力の差異について, 視覚的垂直判断との関係から調べた。対象は脳卒中患者のなかから右半球損傷患者10名, 左半球損傷患者10名, 対照群として健常者7名を対象とした。方法は前額面上での視覚的垂直判断の偏位と, 傾斜刺激に対する体幹バランスの左右への偏位を調べ両者の関係について検討した。その結果右半球損傷群は視覚的垂直判断, 体幹バランスともに左半球損傷群, 対象群に比べ有意に大きかった。さらに右半球損傷群は視覚的垂直判断と体幹バランスの偏位の間に相関が認められた (r=0.71, p<0.05)。それに対し左半球損傷群では相関が認められなかった。以上の結果から右半球損傷患者の体幹バランスは不安定であること, さらに視覚的垂直軸の偏位が姿勢保持に影響を与えることなどが示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1989-03-10
著者
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