骨細胞の CLC3 型 Cl^-チャネルはメカニカルストレス受容に関与する

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【目的】骨の密度や形態は恒常的なメカニカルストレス(MS)が加わることにより維持されるが,骨組織のMS受容機構については明らかではない。我々は,骨組織に最も多く生存する骨細胞にはMSにより活性化されるCl^-チャネルが存在し,このチャネル自身がMS受容器として働いている可能性があることを報告してきた。今回,このMS活性化Cl^-チャネルが既知のCl^-チャネルに分類できるか免疫染色法とcompetitive PCR法により検討した。【方法】新生児ラット頭蓋骨より骨細胞を採集し,AGPC法にて全RNAを調整した。真核細胞のMSによる細胞容積調節に関与するCLC2とCLC3Cl^-チャネル遺伝子及びハウスキーピング遺伝子のG3PDHの発現をRT-PCR法にて検討した。その発現量(mRNA)はcompetitive PCR後,増幅産物を電気泳動後画像解析し,添加したcompetitorの量より算出した。さらに,CLC2及びCLC3チャネルタンパクとしての発現を免疫染色法を用いて検討した。【結果と考察】免疫染色法を用いてCLCチャネルタンパクの発現を検討した結果,骨細胞にはCLC2及びCLC3共に発現していたが両者の発現量の差は明確ではなかった。そこで,competitive PCR法を用いて,これらの遺伝子発現量を検討したところ,CLC3遺伝子の発現量はCLC2に比較して圧倒的に多いことが明らかになった。さらに,MS活性化Cl^-電流はCLC3型Cl^-チャネルの性質と一致した。従って,骨細胞にはCLC3型Cl^-チャネルがCLC2型Cl^-チャネルより有意に発現しており,このチャネルがMS受容器として働き,このチャネルの活性調節がMSによる骨組織維持に関与している可能性が示唆された。
福岡歯科大学学会の論文
2001-12-30

骨細胞の CLC3 型 Cl^-チャネルはメカニカルストレス受容に関与する

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