腱成熟に対するMMPの作用

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【目的】浅指屈筋腱は腱細胞、コラーゲン細線維と非コラーゲン性マトリックスにより構成されている。ウマの腱における細胞外マトリックスの加齢性変化の研究は、コラーゲンについては多数報告されているが、マトリックス分解系についての報告はほとんどない。そこで、コラーゲンの細胞外分傍系の1つであるマトリツクスメタロブロテアーゼ(MMP)に著目し、腱の加齢性変化とMMPの関与を検索した。【材料および方法】材料は、サラブレッド種(0歳5例、1歳2例、2歳2例、3歳1例、計10例)の浅指屈筋腱中手骨中央部を用いた。形態学的には、電子顕微鏡を用いてコラーゲン細線維の走行と直径の変化を視察した。生化学的には、二次元電気泳動法にてグリコサミノグリカン(GAG)の分離・同定を行った。さらに、Film in situ ZymographyとザイモグラフィーにてMMPの分離・同定を行った。【結果および考察】コラーゲン細線維は0歳では波状に走行しており、3歳では長軸に沿って平行に走行していた。細線維直径は0歳では20nmと100nmが多く、加齢に伴ってそれぞれ60nm、220nmと太くなり、その割合は加齢に伴い細いものが増加した。GAGはヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸で構成されており、加齢に伴いデルマタン硫酸が減少し、コンドロイチン硫酸が増加した。MMPはMMP-2とMMP-9の潜在型と活性型が存在し、加齢に伴いMMP-9が流少し、MMP-2が増加した。以上のことより、腱コラーゲン細線維の加齢に伴う形態変化は、コラーゲン細線維形成調節作用を持つGAGによって起こり、分解系であるMMPも作用していることが示唆された。
日本結合組織学会の論文

腱成熟に対するMMPの作用

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