リーチ課題の反復による姿勢制御の変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,健常成人において同一課題を反復させることにより生じる姿勢と運動の協調性の変化を知ることである。対象は健常成人11名とした。同一課題を10回反復させたときの初回と最終試行間での変化を比較した。課題動作として前方へのリーチ動作を行わせ,前方へ最大にリーチさせたときの,重心動揺面積,下肢筋の筋活動(大殿筋,半膜様筋,腓腹筋,前脛骨筋)とリーチに伴う重心移動距離,身体部位(手,肩,股,膝関節)の移動距離を測定した。初回の試行と最終試行における変化として,重心動揺面積が減少し,重心移動距離が増加した。初回試行ではリーチ姿勢をとることにより測定したすべての筋で筋活動増加を認めたのに対して,最終試行では半膜様筋,腓腹筋のみとなった。また股関節の位置は初回試行でリーチ方向と反対方向への移動を示したのに対して,最終試行ではその移動距離を減少させた。今回の結果は,同一課題の反復により姿勢制御ストラテジーを変更させ,姿勢の安定性や筋活動の効率を高められる可能性があることが示唆された。
- 2003-02-20
著者
-
建内 宏重
京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
-
建内 宏重
大阪医科大学附属病院 リハビリテーション科
-
元村 直靖
大阪教育大学メンタルサポートチーム
-
市橋 則明
京都大学医療技術短期大学部
-
市橋 則明
京都大学医学部保健学科
-
大畑 光司
京都大学医学部保健学科理学療法学専攻
-
大畑 光司
京都大学 医学部保健学科理学療法学専攻
-
大畑 光司
京都大学医学研究科理学療法学専攻
-
元村 直靖
大阪教育大学
-
元村 直靖
大阪教育大学大学院健康科学専攻
-
元村 直靖
大阪教育大学健康科学
-
秋本 善英
康生会武田病院
-
秋本 喜英
康生会武田病院
-
秋本 喜英
康生会武田病院 リハビリテーション科
-
元村 直靖
大阪教育大学大学院健康科学
-
元村 直靖
大阪教育大学健康科学専攻
-
市橋 則明
京都大学医学研究科人間健康科学系専攻
関連論文
- 高齢者の姿勢制御能力と転倒恐怖感および生活活動量との関連
- バランストレーニング実施頻度が後期高齢者の運動機能に与える影響
- 片側性末期変形性股関節症患者の最大歩行速度に影響を及ぼす因子
- 人工股関節全置換術後における股関節・膝関節周囲筋の筋力推移の比較 : 膝関節伸展筋力の回復は遅延する
- 骨盤の矢状面アライメントが骨盤・体幹の回旋可動性および身体重心移動量に与える影響
- 外乱刺激に対する予測の可否が体幹筋の筋活動に与える影響
- 整形外科疾患患者に対する体重免荷トレッドミル歩行トレーニングの即時効果
- 334. 体幹筋および股関節周囲筋筋厚の加齢による変化(加齢・性差,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 651. 股関節内旋可動域が片脚着地動作時の下肢アライメントと筋活動に及ぼす影響(リハビリテーション・運動療法,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 559. 高齢者の運動機能と歩行立脚期の各相割合および足圧分布との関連性(バイオメカニクス,一般口演,第63回日本体力医学会大会)