成人矯正治療患者に対する歯周一矯正治療の効果 : とくに歯周初期治療の効果と経時的変化について

概要

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本研究の目的は矯正治療を受ける成人で歯周組織に病変がある場合, 歯周初期治療を行い, その高価を評価することである。被験者は11名で矯正治療開始前に, 歯周初期治療を行ったのち矯正治療を開始した。その結果, 1) G.I. は1.22±0.60が0.08±0.33になった ( (P<0. 001)。2) probing depth は2.56±0.80 mm が1.76±0.63 mm になった (P<0.001)。3) 角化歯肉幅は4. 63±2. 08mmが4. 17±1. 92mmになった (P<0.001)。4) 付着歯肉幅は2.70±2.02 mm が2.82±1.90 mm になったが有意差はなかった。5) 歯の動揺度は 0.27±0.50が0.03±0.18 になった (p<0.001)。6) プラークスコアーは69.2±30.0%が21.9±15.9%になった (P<0.001)。7) Gingival Bleeding Index は 32.0±28.0% が 3.4±9.9% になった (P<0.001)。8) 臨床的歯冠長は 9.53±1.72 mm が 9.80±1.75 mm になった (P<0.001)。このように歯周組織に異常のみられる患者の矯正治療には歯周初期治療を行い, 原因を除去し管理すれば矯正治療を行ってもきわめて良好な予後がえられることが判明し, 両科のチームアプローチが重要であると考えられる。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1987-06-28