歯周病診療室外来患者における歯周疾患罹患実態とその病因因子の検討
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概要
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歯学部附属病院歯周病診療室に来院し, 辺縁性歯周炎と診断された患者から, 無作為に47人 (20~59歳, 平均41.6歳) を抽出し, 歯周疾患罹患程度および臨床的病因因子と罹患程度との関連性について検討を行った。全被験者における歯周疾患の程度はポケット深さで3. 8±0.8mm, 5mm以上のポケット深さを有する罹患歯の割合は65±25%であった。また, 歯槽骨吸収は歯根長の29.4±7.5%であり, 近心側または遠心側において30%以上の骨吸収率を示す罹患歯の割合は平均56±24%であった。これら歯周疾患の程度を年代別に分類して検討したが, 各年代において差は認められなかった。歯種別の歯周疾患の程度は, 歯周ポケット深さでは上顎の切歯部, 大臼歯部, 下顎の大臼歯部で, また, 骨吸収率では, 上顎の切歯部, 大臼歯部, 下顎の切歯部でそれぞれ大きい傾向を示した。臨床的病因因子として歯肉縁上プラーク, 歯間離開, 歯肉縁下修復物, 転位, 支台をとりあげ, 歯周疾患の程度との関連性について検討したが, これらが歯周疾患の程度におよぼす影響は小さいことが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1987-03-28
著者
-
恵比須 繁之
大阪大学歯学部口腔治療学講座
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岡田 宏
大阪大学歯学部口腔治療学講座
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恵比須 繁之
大阪大学歯学部歯科保存学講座
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福原 弘喜
大阪大学歯学部口腔治療学講座
-
森田 健司
大阪大学歯学部口腔治療学講座
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米村 隆司
大阪大学歯学部口腔治療学講座
-
弓立 淳
大阪大学歯学部口腔治療学講座
-
岡田 宏
大阪大学歯学部
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