猫の鉤虫症に関する実験的研究 : VI. 犬に対する Ancylostoma tubaeforme および Ancylostoma caninum の感染試験と仔虫の Visceral migration について
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概要
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AncylostomatubaeformeとA.caninumについて,犬に対する感受性と,犬体内におけるViscerallarvamigrationを知るために,仔虫を仔犬に経口感染させた後,その発育虫体の検出率と,各種臓器内における仔虫の分布および発育状況を検索した.その結果,次のような所見を得た,1.犬に対する両種鉤虫の発育虫体検出率は,A.tubaeformeの場合においては,O-2.1%に過ぎなかったが,A.caninumの場合は60~80%を示した.2. A.tubaeforme仔虫を仔犬に経口感染させた場合には,仔虫数が消化管から徐々に減少した.また,他の臓器に移行した若干の仔虫も見られたが,その仔虫数は余り多くない.移行部位は肺・気管または食道であって,筋肉には移行しなかった.これらの臓器から検出されたすべての仔虫は,その体長が全く発育していなかった.3. A.caninum仔虫を犬に経口感染させた場合には,仔虫数の50%が長期にわたって消化管から検出された.感染初期には,腸内腔よりも,腸壁のほうに多く侵入していることが認められた.これに反して,他の臓器からは,ほとんど仔虫が検出されなかった.腸内容から検出された仔虫は,体長が発育していたが,その他の臓器内では,仔虫の発育が認められなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1968-02-25
著者
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