ブドウ球菌培養濾液によるレプトスピラ集落数増強作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ブドウ球菌は,同種の菌;1朱の間ばかりでなく,Protcus,Hacmophilus,Influcnzaウイルスなど異種の微生物に対しても,培地中で増殖を促進すると,またこれらとの混合感染が,しばしば問題となってきた。本報告においては,さきに検討したレプトスピラ(以下「レ」と略す)の角びん内閉鎖系での集落形成法を応用し,ウシ乳房炎材料より分離したStaPIlylococcusaureusS9-2株のhcartinfusionbrothでの培養濾液をもちい,「レ」集落におよぼす作用につき検討した。上記のブドウ球菌株の37°C,18′~24時間培養液を SeitzEKで濾過し,無菌試験ののち,培養濾液として用いた。LePtosPirabfexaUrawa3株のKorthor培地10~14日培養原液を,0.2%tryptoscphosphatcbrothで,10~1,000集落形成単位を含むように希釈した。その0.2mlと,培養濾液1.8m1を37゜C,60分感作後,ゴム栓を施した角びん内閉鎖系で,10%正常ウサギ血清加Cox培地を用い,33°Cで培養した。形成された「レ」集落数および,集落形態を,heartfunsionbroth,および,Korthof培地感作の対照と比較したところ,150ないし170%の集落増の数加を認めた,集落形態については,いちじるしい所見は認められなかった。この作用は,ブドウ球菌の培養時間と連関して変化した。24時間培養濾液が,最も本作用がいちじるしく,48時間以降次第に減少するようであった。また,培養濾液を,56°Cで1時間加熱しても,この作用は低下することなく,1二8ないし1:16希釈までこの作用は保持されていた。またLePtosPirasemarangVc1dratS173株についても本作用を認めた。L.icterohaemorrhagiaeほか4株では,著明でなかった。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1966-04-25
著者
関連論文
- 154 ブタ流行性肺炎野外材料の細菌学的検索ならびに野外予防試験成績
- 155 SEP の一病原体の薬剤感受性について
- 46 豚の関節炎からの連球菌について(微生物学分科会)(第71回日本獣医学会記事)
- 26 口蹄液罹患牛の第二次感染菌について (微生物学分科会)(第74回日本獣医学会)
- 114 養豚場における豚流行性肺炎 (病理学分科会)(第70回日本獣医学会)
- 37 試験管内凝集反応による野外のブタ血清中のMycoplasma hyppneumoniaeに対する凝集抗対価の分布について (微生物学分科会)(第70回日本獣医学会)
- 2 ウシ乳房炎のfuraltadoneによる集団野外治療試験成績 (第61回日本獣医学会記事)
- 角びん内培養法によるレプトスピラ集落形成諸条件の検討
- ブドウ球菌培養濾液によるレプトスピラ集落数増強作用
- 各種血清添加培地におけるレプトスピラ集落解離について
- 26 日齢別実験マウスのL.isteohaemorrhagiaeに対する感受性試験成績 (第59回日本獣医学会記事)
- Leptospira icterohaemorrhagiae に対する実験マウスの致死的感受性について
- 37 角びん内培養法によるレプトスピラ集落形成諸条件の検討
- 27 牛乳房炎に関する野外調査成績
- 193 乳房炎牛由来ブドウ球菌に関する研究 : ブドウ球菌型別への二、三の試み
- 平板培地最下層(Bottom Layer)内培養法によるブドウ球菌集落の観察