Leptospira icterohaemorrhagiae に対する実験マウスの致死的感受性について
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概要
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レプトスピラ(以下「レ」と略す)に対する実験マウスの感受性については, 梁川ら(1959, 1960)の成績からも明らかなように, 「レ」接種成熟マウスの感染価測定により,定量的な試みが可能である. いっぽう, 成熟マウスでは, 「レ」感染後, ほとんど, 発症・へい死をみないから, これらの感染価測定は, 必ずしも簡便かつ容易なものではなく,「レ」の毒力測定, 有毒株の継代など, 各種の試験に, もっぱらモルモットが用いられてきた. そこで, これら各種の試験の簡易化・省力化を目途として, 日令別に dd系哺乳マウスを用い, その「レ」に対する感受性を検討した. 接種株は, Leptospira icterohaemorrhagiae JFK 1株ほか4株である. 感染モルモット心血のコルトフ培地内, 初代および2代培養の7, 14, 21各培養日の菌液を用い, 3, 5, 7, 14日令, および6週令のマウスの腹腔内へ接種した. 7日培養「レ」を接種した3〜7日令の哺乳マウスでは, 接種後3〜12日で, 全身の黄疸, 出血傾向, 胡蝶肺などの所見を呈して, 46/46匹(100%)実験へい死した. これに対し, 2週令以上のマウスでは, その率は5/43匹(11.6%)であった. また, 14〜21日培養「レ」を接種した3日令マウスでは, 45/45匹(100%)がへい死し, 5〜7日令マウスでは40/73匹(54.8%)であった. 接種「レ」の培養日別により, また哺乳マウスの日令別により, 実験へい死率が異ることが知られた. さらに3日令マウスを用い, 各階段希釈ウマ抗血清により, 10^2倍の防御効果をしめして, 実験へい死を免れた. 腎臓内「レ」の検索により,得られた感染価(ID_<50>)は, 実験へい死によるへい死率(LD_50)の, およそ10^2倍に相当し, 感染により, 3日令哺乳マウスに, 発症・へい死作用を起こすには, 少くとも「レ」100個が必要であることが知られた. この作用により, 有毒株の継代と毒力測定が可能である. 「レ」株に対する感受性には, C_3H, CFW および C_<57>BL/6 の各系統マウスの間に差はほとんど認められなかった. また, γ線照射により, 成熟マウスでも, 「レ」に対する致死的感受性が増強することが認められた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1965-10-25
著者
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