マウス腎に保有されるLeptospira autumnalisに対する抗生物質および免疫血清の治療効果について
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概要
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LePlOsPiraaUtUm77.aliS(牛由来佐伯株)を100コdd系マウス(体重12~15g)へ皮下接種し,接種後14日目にマウスの血液中に抗体の出現していることを確認したのち,接種後15口目から3日間,カナマイシン,ストレプ1・マイシン,テトラサイクリン,ペニシリン,および家兎免疫血清を, 24時間毎,またあるものでは8時間毎に注射を行い,これらの治療効果を,腎におけるレプトスビラ(以下「レ」と略)の保有率,および保有数の2点からしらべた.結果を要約すると次のとおりである.1)治療を行わない2つの対照群のマウスでは,腎における「レ」保有率は90%,および100%であった.また腎に残存する「レ」数(平均値および標準偏差2σを10g10で示す,以下同じ)は,それぞれ5±1.8,3.8±3.3であった.2)カナマイシン500μg/g(日量,以下同じ),およびス1・レプトマイシン50μg/g,テI・ラサイクリン50μg/g2,それぞれ3日間投与した場合は,腎の「レ」は完全に消失した.3)ペニシリン800U/g注身j′群,およびカナマイシン50μg/g(但し8時間毎に16.6μglgづつ)注射した群では, 「レ」保有率はそれぞれ20%および40%で,対照に比し有意差を認めた.また残存「レ」数はそれぞれ0.2±0.8および1.1±2.9で,減少していることが認められた.4)その他の治療群における腎の「レ」保有率および残存「レ」数は,カナマイシン50μg/gでは70%(2.0±3.2,および2.4±3.6),同5μg/gでは100%(4.6±1.3),ストレプトマイシン5μg/gでは100%(3.3±2.5),テトラサイクリン5μg/gでは60%(1.4±2.4),ペニシリン800U/g(但し1日のみ注射)では70%(1.9±3.0),同100U/gでは100%(3.6±2.0),および家兎免疫血清0.2ccでは89%(2.9±3.O)で,いずれも対照との間に有意差を認めなかった.5)腎に残存する「レ」数と「レ」保有率との間には相関関係が認められ, 「レ」保有率が高い群では残存「レ」数は多く,逆に「レ」保有率が低い群では残存「レ」数は少なかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1960-02-25
著者
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