ビフェニルの 2 年間混餌投与によるマウスのがん原性(毒性学)
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概要
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ビフェニルのがん原性および慢性毒性を検索する目的で, 667, 2,000, 6,000ppmの濃度のビフェニルを飼料に混合し, 雌雄のBDF_1系マウスに2年間経口投与して試験を行った.生存率は対照群とビフェニル投与群との間に差はみられなかった.体重の増加抑制は雌雄の6,000ppm群にみられた.雌では, 肝細胞癌と肝細胞腺腫の発生は投与濃度に対応して有意に増加し, 日本バイオアッセイ研究センターのヒストリカルコントロールデータの範囲を超えた.また, 好塩基性小増殖巣の発生も雌の2,000ppmと6,000ppmの両群で, 対照群に比較して有意に増加した.一方, 雄では, ビフェニル投与により誘発された肝臓腫瘍や前腫瘍性病変の発生の増加は認められなかった.慢性毒性として, 雌雄に腎盂上皮の剥離, 雌に腎臓髄質の外帯内層部への鉱質沈着が対照群に比較して有意に増加した.これらの変化と共に, 血漿の生化学的検索では, BUNとALPの増加, 並びに電解質の変化がビフェニルを投与した雌雄にみられた.以上のように, 2年間のビフェニル混合飼料を与えた雌マウスに肝臓腫瘍とその前腫瘍性病変, 及び雌雄の腎臓に非腫瘍性病変が誘発された.ビフェニル投与による肝臓発がんに関与した要因について, 既に我々が報告した肝臓のペルオキシソーム増殖及びビフェニル代謝物の変異原性に関する文献データを参照して, 発がん性の種差, 性差とともに考察した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-04-25
著者
-
松島 泰次郎
中災防 日本バイオアッセイ研究センター
-
山本 静護
中災防 日本バイオアッセイ研究センター
-
大西 誠
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター
-
山本 静護
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター
-
松島 泰次郎
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター
-
相磯 成敏
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
有藤 平八郎
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
長野 嘉介
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
松島 泰次郎
日本バイオアッセイ研究センター
-
松島 泰次郎
中央労働災害防止協会技術支援部
-
長野 嘉介
日本バイオアッセイ研究センター
-
山崎 一法
中災防 日本バイオアッセイ研究センター
-
梅田 ゆみ
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
山崎 一法
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
長野 嘉介
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター
-
梅田 ゆみ
中災防 日本バイオアッセイ研究センター
-
相磯 成敏
中災防 日本バイオアッセイ研究センター
-
有藤 平八郎
中央労働災害防止協会・日本バイオアッセイ研究センター
-
大西 誠
中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究センター
-
Aiso Shigetoshi
Japan Bioassay Research Center Japan Industrial Safety And Health Association
-
相磯 成敏
Division Of Pathology Japan Bioassay Research Center
-
有藤 平八郎
中央労働災害防止協会:日本バイオアッセイ研究センター
-
相磯 成敏
中央労働災害防止協会・日本バイオアッセイ研究センター
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