水稲への雑草害から見たクログワイの生育許容限界
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概要
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クログワイ(Eleocharis kuroguwai Ohwi)の増殖抑制の観点から、塊茎形成に緊密に関係する雑草生育量の診断基準を選定し、水稲生育時期別の雑草許容限界と水稲減収との関係について、除草剤の連年施用の圃場試験結果を用いて検討したところ、以下のことが明らかとなった。1) クログワイによる水稲減収に対して、穂数の寄与する割合は40.5%と高く、次いで千粒重の寄与する割合が27.8%、登熟歩合および一穂穎花数の寄与する割合はそれぞれ約16%であった。2) クログワイのm^2当り株数と平均草丈との積で求めた地上部生育量は、試験年次によって水稲精籾重と雑草生育量との関係に生じる変動を捨象でき(第2表)、雑草生育量と経年的な雑草の抑制効果との関係の診断基準として有効と診断された。3)水稲収量に影響しないクログワイの最大生育量(許容限界)は、m^2当り萌芽塊茎数1.0個、中干し期のm^2当り株数7,2株、塊茎形成期のm^2当り地上部生育量11.7であった(第3表)。4)対無雑草区比5%の精籾重の減収をもたらすクログワイの最大生育量は、m^2当り萌芽塊茎数4.4個、中干期のm^2当り株数15.6株、塊茎形成期のm^2当り地上部生育量30.0であった(第3表)。
- 日本雑草学会の論文
- 1992-12-24
著者
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