除草剤連用によるクログワイ地上部の生育抑制と塊茎の萌芽および生存との関係
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概要
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除草剤の連年施用によるクログワイ(Eleocharis kuroguwai Ohwi)の地上部生育の抑制と新旧塊茎の萌芽率および次年度への生存率との関係を解明し、除草剤の連年施用下における防除効果の向上を新旧塊茎数の推移から検討した。その結果、次のようなことが明らかになった。1. 旧塊茎の60%が既萌芽で、その72%が前年度の旧塊茎から由来した。そして、旧塊茎の40%が未萌芽で、その84%が前年度の新塊茎から由来した(第4表)。2.地上部生育の抑制にともない新旧塊茎の萌芽率が低下した(第2、3図)。その原因として、新塊茎では充実度の低下、既萌芽旧塊茎では養分消耗の促進が考えられた(第2表)。3.除草剤連用3年目で新旧塊茎数をそれぞれ前年より減少させるには、連用2年目の地上部指数を10%以下とし、連用3年目ではさらに低下させる必要があった(第4、5図)。4.新旧塊茎の生存率は、地上部生育の連年抑制により著しく低下した(第3表)。5.除草剤連用下におけるクログワイ地上部の生育抑制と塊茎の萌芽および生存との間にフィードバック・ルーフが存在すると推察された。
- 日本雑草学会の論文
- 1992-07-31
著者
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