スルホニルウレア系除草剤を処理したクログワイにおける塊茎形成期間の乾物生産と塊茎形成
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概要
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クログワイ(Eleocharis kuroguwai Ohwi)の効果的な防除技術につながる基礎的な知見を明らかにするために, この多年生雑草の乾物生産を支配する生長パラメーターと繁殖源である塊茎の生産量との量的関係を解析した。実験には, クログワイの奈良と谷和原系統を1/2,000アールポットに単植個体群として栽培したものを供試した。そして, 2つのスルホニルウレア系除草剤を処理することで, 生長パラメーターと塊茎の生産量との関係を人為的に変化させた。これら2剤を処理されたクログワイでは, 同化器官である茎の生長が抑制され, このことによる個体群の生長速度の低下と塊茎肥大期間の短縮によって, 同期間の全乾物増加量(同化産物)が大きく減少した。また, 除草剤処理区では茎葉部から塊茎への転流および塊茎肥大期間の同化産物の塊茎への分配率が抑制されるため, 塊茎生長が顕著に劣った。スルホニルウレア系除草剤を処理されたクログワイでは, 塊茎の生産量は塊茎肥大期間の全乾物増加量とその塊茎への分配率に, そして全乾物増加量は純同化率ではなく茎表面積と同期間の長さの抑制に強く支配される。そのため, 塊茎肥大期間における茎表面積, 同期間の長さおよび分配率を低い水準に抑制することが, クログワイの防除において特に重要と考えられた。
- 日本雑草学会の論文
- 2000-10-30
著者
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