オモダカ(Sagittaria trifolia L.)の繁殖体生産の遮光反応における種内変異
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概要
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オモダカ(Sagittaria trifolia L.)の繁殖体生産における遮光反応の変異性を明らかにするために, 京都府南部の6ヵ所の水田から採取した19系統を供試し, 4段階の相対照度条件(100, 75, 50および25%)を設け, そう果および塊茎の生産量について検討した(Table 1)。種子生産およびその遮光反応には系統間で差異が認められた(Fig. 1)。8系統では種子生産量は相対照度の低下に伴い低下し, 残り8系統では相対照度75%または50%条件において種子生産は最高値を示した。種子を全く生産しなかった山間地由来の3系統を除き, 種子生産における遮光反応と原産地の環境条件との間には明瞭な関係は認められなかった。塊茎生産およびその遮光反応にも系統間で差異が認められた(Fig. 2)。平野由来の3系統の最高塊茎生産は相対照度75%区で, その他の地域由来の16系統では相対照度50%区で認められた。平野由来系統は他地域由来系統に比べ, 植物体が大きく, 水稲群落中においてより高い相対照度条件で生育しており, 塊茎生産の遮光反応は生育地の光環境に適応的であることが示唆された。
- 1999-10-29
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