防災的見地からの堤防のり面雑草類の利用

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我が国の河川堤防のり面や各種ののり面等で一般的に見られるチガヤおよびススキと堤防のり面に導入されたことのあるオカメザサ、ヘデラカナリエンシス、コグマザサたらびにチマキザサについて、河川堤防のり面や道路のり面等での利用性を、主として防災的な見地より検討するために、生育場所での現存量調査を実施した。調査には、現在、堤防のり面保護に広く使用されているノシバ、ティフトン328も含めた。その結果、現存量は地上部、地下部共にオカメザサが4.3229/m^2と4.0999/0.4 m^3で最も多く、総根長はノシバが3,013m/O.4 m^3で最も長かった。生育場所の土壌は、砂質土壌であり、土壌のpHは4.9〜5.6であった。また、腐植量、窒素、P_2O_5、およびK_2O含有量は少なく、土壌の理化学性は、植物の生育にとって、好ましい状態ではなかった。これらを基に防災的な見地から検討した結果、一般的に堤防のり面等では雑草として取り扱われているチガヤおよびススキとかつてのり面等に導入されたことのあるオカメザサ、ヘデラカナリエンシス、コグマザサならびにチマキザサは、従来から堤防のり面等に利用されているノシバやティフトン328と同様に、これらの場所での利用性が高いものと判断された。
日本雑草学会の論文
1992-10-31

防災的見地からの堤防のり面雑草類の利用

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