DPX-F5384とチオカーバメート除草剤との組合せによる薬害軽減作用
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概要
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DPX-F5384のイネに対する薬害が出易い条件をつくり、本化合物とチオカーバメード系除草剤の同時処理による薬害の軽減効果を、移植水稲と湛水直播水稲について調査した。また、DPX-F5384の選択作用性はイネによる代謝と密接に関係しているので、両者を処理した場合のイネ葉における代謝について検討し興味ある知見を得た。 1) 移植水稲における薬害試験で、腐植含量の低い荒木田土壌を用い、高温下でDPX-F5384の100 g ai/haを処理すると、小〜中程度の生育抑制を生ずる(Table 1)。 2) このような条件下で、DPX-F5384とチオカーバメード系除草剤、ベンチオカーブ、MY-93,CH-83,SC-2957,およびモリネートを移植水稲に同時処理した。モリネートを除くチオカーバメード除草剤は、DPX-F5384に起因する生育抑制を明白に軽減した(Table 2)。 また、1.5葉期の移植水稲にDPX-F5384とベンチオカーブを同時処理し、第3葉の伸長度を調べた。その結果、両化合物の組合せは、葉の伸長抑制を著しく軽減した(Table 4)。 3) 1葉期の湛水直播水稲に対し、DPX-F5384とMY-93の同時処理は、DPX-F5384によって生ずる生長抑制を軽減した。両化合物の混用による湛水直播水稲への適用は、極めて有望であると思われる(Table 3)。 4) ベンチオカーブ、MY-93、モリネートを茎葉処理したイネ苗から葉を切りとり、^14C標識DPX-F5384を吸収させ、DPX-F5384の半減期を調べた。ベソチオカ一ブ、MY-93、モリネート処理区の半減期は、それぞれ1.9, 2.6, 7.9時間を示し、無処理のそれは8.4時間であった(Table 5)。 このように、DPX-F5384とチオカーバメード除草剤との組合せは、イネに対する安全性をより確実にするとともに、タイヌビェに対する防除効果を十分に補完することができる(Table 5)。そして、ベソチオカ一ブやMY-93が、イネ葉によるDPX-F5384の代謝を3〜4倍も高めるという事実は、チオカーバメードの薬害軽減効果の最も主要な作用機構を示唆している。
- 日本雑草学会の論文
- 1986-08-26
著者
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湯山 猛
デュポンジャパン
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武田 俊司
デュポンジャパン
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SWEETSER Philip
デュポン農薬事業部
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湯山 猛
デュポンジャパン農業事業部
-
ACKERSON Robert
デュポン農薬事業部
-
武田 俊司
デュポンジャパン農業事業部
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