新水稲用除草剤 DPX-F5384 の作用特性
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概要
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DPX-F5384の除草活性、作物安全性、選択性および水田土壌中での移動性について検討した。除草活性と作物安全性に関しては、温室内と戸外でのポット試験と圃場試験によって検定した。また、イネ科作物と広葉作物との間の感受性の差異については、本剤の所定量を処理した畑土壌で、水田土壌中での薬剤の移動性は、シリンダーを用いた標準試験法により検定した。それらの結果は下記のように要約される。1。本剤25g a. i./haの出芽前土壌処理と出芽後土壌兼茎葉処理は、水田の1年生広葉雑草およびカヤツリグサ科雑草に対し、ほぼ完全な防除効果を示した(Tab1e 2)。 2一ホタノレイ、マツバイ、ウリカワおよびミズガヤツリなどの多年生雑草に対しては、本剤50gai/haの出芽前土壌処理および出芽後土壌兼茎葉処理で、すぐれた防除効果が認められた。しかしながら、タイヌビェは本剤に対し感受性が低く、200gai/haの薬量でも十分な防除効果を示さなかった(Tab1e 2,3,4)。 3.水稲に対する安全性については、本剤100〜200gai/haの出芽前、後の土壌および土壌兼茎葉処理で、イネに軽度の生育挽制が観察されたが、生育抑制は比較的短期間に回復した(Tables 3,4)。 4.イネ科作物と広葉作物の本剤に対する感受性には、大きな差異が認められた。イネ科作物(イネ、ムギ)は本剤に高い耐性を示したカミ、広葉作物は顕著な感受性を示した(Table 5)。 5、水田土壌中における本剤の移動性は比較的小さく、ブタクロールとほぼ同程度であった(Table 6)。
- 日本雑草学会の論文
- 1985-12-21
著者
-
湯山 猛
デュポンジャパン
-
武田 俊司
デュポンジャパン
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湯山 猛
デュポンジャパン農業事業部
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ACKERSON Robert
デュポン農薬事業部
-
WEIGEL Russell
デュポン農薬事業部
-
SAUERS Richard
テネシー大学植物学部
-
NEAL Warnell
デュポン農薬事業部
-
GIBIAN David
テネシー大学植物学部
-
TSENG Paul
デュポン農薬事業部
-
武田 俊司
デュポンジャパン農業事業部
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