果樹園における雑草防除の時期がアキノエノコログサとメヒシバの優占度及ぼす影響

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香川県および岡山県におけるアキノエノコログサとメヒシバが優占する3果樹園において, 冬雑草を異なる時期に防除した後に発生した夏雑草の栄養器官および繁殖体生産量を測定してその群落構造を調査した。冬雑草を3月下旬に防除した場合には, アキノエノコログサが相対乾物重の60%以上を占め, 優占した。メヒシバは次優占種であった。4月下旬に冬雑草防除を行った場合には, メヒシバが80%の相対乾物重を示し, 優占種となり. アキノエノコログザがそれに続いた(Table 1)。アキノエノコログサあるいはメヒシバのいずれにおいても, 優占種は次優占種よりも多くの種子を生産した。また, 両種は相対密度と相対乾物重の間に正の相関を示し, いずれの種も相対密度が高くなった除草時期に優占した(Fig. 1)。3月中旬の冬雑草防除後に優占したアキノエノコログサぱ相対乾物重と相対個体乾物重の間に正の相関を示した(Fig. 2)。この場合, アキノエノコログサはメヒシバよりも 1葉程度早く発生を開始し(Fig. 4), 収穫時の植物体はメヒシバよりも顕著に大きくなった(Fig. 3)。一方, メヒシバが4月下旬の冬雑草防除後に優占した場合には, 相対乾物重と相対個体乾物重の間には明瞭な関係が認められず, また収穫時の植物体の大きさもアキノエノコログサと同等であった。これらのことから, 3月下旬の冬雑草防除後に発生したアキノエノコログサはメヒシバの生育を抑制して優占種になると考えられた。従って, 群落構成種の相対密度ならびに種間の相互作用が優占種の交代に影響を及ぼすと推察された。
日本雑草学会の論文
1997-11-25

果樹園における雑草防除の時期がアキノエノコログサとメヒシバの優占度及ぼす影響

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