温州ミカンの越年採収に関する研究 : II 着果の程度および蒸散抑制剤の濃度
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概要
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Effects of fruiting degree of Satsuma mandarin trees on the injury and quality of fruits and flowering and fruiting in next year were investigated during the later of Dec., 1976 and the early of March, 1977. Application of a transpiration inhibiting agent, greener, at various concentrations was also tested for the protection of peel shrinkage of fruits. The fruits picked on the early of March were mostly injured by chilling, but diseased and bird-injured fruits were seldom. The rate of normal fruits over total fruits was parallel with the degree of fruiting. Most of the normal fruits were peel puffing and the number of moderately or heavily peel puffing fruits was larger as the degree of fruiting was low. No difference in contents of sugars and acids was recognized among the fruits harvested from various fruiting trees. Flowering in next year on over fruiting trees was largely low, compared with that on proper fruiting and under fruiting trees; however, on over fruiting trees physiological fruit dropps were supressed and consequently the fruiting was similar to that on proper fruiting trees. Peel of fruits non-treated with greener obviously shrinked, but no shrinknage of peel occurred on the treated fruits maintaining good outward appearance. Heavily granulated and peel puffed fruits were increased on the treated trees, however. It was suggested that the spray of greener at 40-80 dilution on trees at delayed harvesting after maturity is suitable for the protection of peel shrinkage.温州ミカン樹について, 1976年12月下旬〜1977年3月上旬の間, 着果の多少が果実の傷害, 品質および次年の開花, 結実に及ぼす影響, ならびに果皮の萎縮防止のためグリンナー(蒸散抑制剤)の濃度について調査した. 3月上旬の採収において, 病害果と鳥害果はいちぢるしく少なかったが, 寒害果はかなり多かった. これらの傷害果率は着果の少ない樹ほど高く, 健全果率は逆に着果の多い樹において高かった. 健全果は大部分が浮皮果で, 着果の少ない樹ほど浮皮の中〜強度果が多かった. なお, 果汁の糖量および酸量には差が認められなかった. 着果多樹の次年の開花数は着果中および少樹よりいちぢるしく少なかった. しかし, 着果数は生理的落果が少なかったので, 着果中樹に近い有様であった. グリンナー無散布果の果皮はかなり萎縮したが, 散布果の果皮は健全で, 外観が良好であった. グリンナー散布果にはす上りのひどい果実が多かった. この果実は中〜強度の浮皮を示した. 越年採収におけるグリンナーの散布濃度は40〜80倍が適当と認められた.
- 香川大学の論文
- 1978-03-01
著者
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