カンキツの葉内水分不足に関する研究 : I. 光線,温度,乾燥が温州ミカン葉の水ポテンシャルに及ぼす影響
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概要
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Effects of climatic conditions and soil moisture on leaf water potential (ψ) of satsuma mandarin (Citrus unshiu MARC.) trees were studied in summer season. Water potential of current spring leaves was measured in a pressure chamber. 1. Leaf water potential before sunrise (ψmax) in watered soil was highest (about-3 bars) and lowered rapidly after sunrise. Water potential of sun leaves (ψmin) between 9:00 a.m. to 4:00 p.m. on clear day reached around -20 bars and was lowest. There was close correlation berween water potential and weather conditions; on clear day the variation of water potential in the day time was very large, but on cloudy day it was small. 2. Leaf water potential was largely affected by the light intensity to which the leaves were exposed. As the light intensity decreased by shading with a black cheese cloth, water potential increased rapidly. Air temperature also affected the water potential, but to less extents, compared to light intensity. Water potential during the day time at 10℃-plot of soil temperature was lower than that at the 30℃-plot, and water stress of the tree of the former plot was greater than that of the latter plot. 3. Fruit growth was inhibited in proportion to the decreasing of soil moisture. Fruit growth nearly stopped at water potential about -8 bars before sunrise and about -12 bars after sunset. It is proposed that in the field work water potential can be used for the estimation of irrigation time.ポットに植栽の温州ミカン樹を用い, 夏季における気象要因が葉の水ポテンシャル(ψ)に及ぼす影響ならびに果実の生長と葉の水ポテンシャル(ψ)の関係について検討した. 1. 葉のψは日出前に最高(-3±1bar)で, 日出後には急速に低下し, 午前9時〜午後4時の間には最低(-20bar内外)を示したが, その後は急速に上昇した. この葉のψの日変化は, 晴天日にはいちぢるしく, 曇天日にはゆるやかで, 気象状態との間に密接な関係が認められた. 2. 葉のψは日光の当り方で異なり, 遮光実験の結果からψは日光の変動にきわめて鋭敏に反応することを認めた. 葉のψは気温によっても影響を受けるが, その程度は日光に較べてかなり少なかった. 地温を10℃にした場合には, 葉のψはいちぢるしく低く(-20〜-25bar)なり, 樹体のwater stressが強くなった. 3. 果実の生長と葉のψとの間には密接な関係があり, 果実成長停止時の日出前のψは-8bar付近, 日没後のψは-12bar付近であった. 実用的にはこのψを目安にして灌水することが考えられる.
- 香川大学の論文
- 1979-03-05
著者
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