カキ果実の発育期における果皮の微細構造の季節的変化
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概要
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Ultrastructural changes of fruit surface of kaki thruogh the developmental phase were investigated by a scanning electron microscope for both early and late ripening varieties, Izu and Fuyu, respectively. In the middle of June, waxy bloom appeared as tiny ball-like structure in both varieties. The bloom developed gradually into tube-like structure and in the end of June it covered the entire surface of the fruits. The waxy bloom matured in mid-July to mid-August and developed into thin notched wax leaflets. Many unicellular and unbranched hairs were formed on the fruit surface of the early ripening variety Izu, but not in the late ripening variety Fuyu. The hairs were broken away from the surface as fruits enlarge, and many scars were left on the fruit surface. The formation of polygonal cracks was initiated at the sites of scars. In Izu variety, cracks in cuticular layer were formed in mid-September and found to be net-like structure, but in Fuyu the cracks were observed to be a broken line toward the end of September. The sites of cracks were apparently risen and the cracks were found to reach into subepidermal cells.カキの早生種の伊豆と晩生種の富有の果実の発育期における果皮の微細構造の季節的変化を走査電子顕微鏡を用いて調査した. 果粉は両品種ともに6月中旬に表皮に小さい円形の塊状に形成され, 次第に発達して6月下旬には表皮の全面に密生し, 先端がやや丸味をおび, 7月中旬にはさらに薄片状となって8月中旬にキクの葉状を呈した. 伊豆の果皮には多数の毛が生えており, 富有では認められなかった. 毛は果実の肥大につれて表皮から脱落して毛じ痕となり, 周辺にき裂が拡大して多角形のき裂となった. 果皮のき裂は伊豆では9月中旬に発生して網の目状に, 富有では9月下旬に発生して破線状に発達した. き裂部は明らかに隆起しており, 亜表皮細胞にまで達していた.
- 香川大学の論文
- 1982-03-20
著者
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