ゴルフ場におけるスズメノカタビラ(Poa annua L.)の繁殖体投資率と種子生産性における変異
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概要
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地理的に異なる二つのゴルフ場内に由来する13集団のスズメノカタビラ(Poa annua L.)について,繁殖体へのエネルギー投資の様式の変異を調査した。全植物体重,繁殖形質ならびにそれらの相関関係から,13集団のスズメノカタピラには4グループが認められた。すなわち(A)出穂が早く,全植物体重が小さいため高い繁殖体投資率(RA)を示すグループ。このグループの植物の生産種子重は全植物体重に対し正の相関を示したが,生産種子重とRA間には有意な相関は認められなかった。(B)乾物重が小さいため中程度から高いRAを示すが,出穂は遅いグループ。生産種子重は全植物体重およびRAのどちらにも有意な正の相関がみられた。(C)出穂は比較的早く,また全植物体重は大きくRAが中程度のグループ。生産種子重は全植物体重およびRAのどちらにも有意な正の相関がみられた。(D)出穂は遅く,全植物体重が大きいため低いRAを示すグループ。生産種子重と全植物体重間に相関は認められなかった。全植物体重が小さくRAが高いグリーン由来の個体はグループAまたはBに属した。またフェアウェイおよびラフ由来の大種子を生産する大型の個体はグループCまたはDに包含された。ティーグランドには植物体の大きさや繁殖特性が異なるグループA,CまたはDに属する個体が観察された。グリーンで生存するためには種子の多産性が重要であることが示唆された。フェアウェイおよびラフの個体が大種子から大型個体に生育することは競争条件において好ましい特性であると推察された。
- 1996-10-31
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