実験的イヌパルボウイルス感染ビーグル犬へのリコンビナントネコインターフェロン-ω投与の臨床的効果
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概要
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実験的イヌパルボウイルス(CPV-2)感染ビーグル犬(3-4ヵ月齢)へのリコンビナントネコインターフェロン-ω(rFeIFN-ω)投与の臨床的効果を調べた.CPV-2cc238株を10^7TCID_50経口投与後, 4日目に発熱, 嘔吐, 食欲不振および下痢がほとんどの犬で見られた.4日目より3日間連続して1mega units/kg/dayのrFeIFN-ωを静注した.生理食塩水を同様に投与した対照群では17頭中7頭が血液を含む下痢を示し, 重度な腸炎を持続した.血液の混入した米のとぎ汁状の下痢を多量にした犬1頭が6日目に斃死した.rFeIFN-ω投与群では12頭中4頭が断続的な腸炎を示した。下痢の状態をスコア化したところ, rFeIFN-ω投与では対照と比較して有意に腸炎が軽度であった.また, 午前中のrFeIFN-ω投与によって午後に腸炎を示す犬の割合が対照よりも減少したことから, rFeIFN-ωの速効性が示唆された.嘔吐および食欲不振もrFeIFN-ω投与で早期の改善が見られた.これらの結果はrFeIFN-ωが動物種を越えてイヌパルボウイルス感染によって引き起こされる重度腸炎を抑制する効果を持つことを示唆している.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1998-08-25
著者
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