と殺豚における肝臓変性とDFD肉との関連
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概要
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と殺豚に見られる肝臓変性は, 肝臓の褐色と脂質含量の増加を特徴としている. 黒っほく硬く乾いた感じのDFD肉は, 高い最終pHをもち, 品質低下が指摘されている. 前報において, 肝臓変性豚77例のうち65例の枝肉にDFD肉が発現した. これらの豚の血液と肝臓および筋肉の生化学的性状を調べた. 血液では, 脂肪組織からの脂質の動員を反映する遊離脂肪酸の増加と, 筋肉に由来するCPKやLDH_5分画の活性上昇が認められた. 肝臓変性肝では, 正常肝に比べて, 中性脂肪量は著しく増加しグリコーゲン量は減少していた. DFD筋では, 最終pH6.0以下の正常な筋肉に比べて, と殺直後のグリコーゲン量は少なく, と殺後24時間に生成する乳酸量も少なかった. 53時間の絶食と筋肉運動を実験的に負荷して疲労消耗させた豚5例の血液や肝臓では, 肝臓変性豚と同様の変化が認められた. 実験的疲労消耗豚のうち4例の筋肉では, DFD筋と同様の変化が認められた. これらのことから, と殺前の長時間の絶食やストレスを伴う筋肉運動による疲労消耗は, 脂肪組織からの脂質の動員と肝臓への貯留をもたらす一方で, 筋肉ではグリコーゲンを減少させて枝肉のpHの低下を妨げ, 同一豚に肝臓変性とDFD肉の両方を惹起することが確認された.
- 1990-06-15
著者
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