ラット脂肪細胞の代謝と血清・組織脂質の脂肪酸組成に対するイソプロチオランおよびファイトステロールの効果
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概要
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イソプロチオラン250 mg/kgまたはファイトステロール50 mg/kgをラットに2週間毎日経口投与した. ラットの脂肪細胞におけるインスリン無添加での[U-^<14>C]グルコースの脂質への取り込みは, イソプロチオランまたはファイトステロールの投与によって有意に減少した(それぞれ対照の54%および82%). 脂肪分解によって遊離したグリセロール量は, エピネフリン10μM存在下の時のみイソプロチオランを投与したラットの脂肪細胞で対照より減少した. 血清総コレステロール量はファイトステロールの投与によって減少した. また血清遊離脂肪酸(NEFA)量はイソプロチオランの投与によって増加した. それぞれの薬剤を投与したラットの肝臓, 血清および脂肪組織で, リン脂質またはコレステロールエステルの脂肪酸組成における不飽和化が認められた. これらの結果から両薬剤は脂肪細胞への脂質の蓄積を抑制し, 組織脂質における脂肪酸の不飽和化を促進する共通の作用を有することが示唆された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1991-10-15
著者
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片本 宏
大阪府立大学大学院農学生命科学研究科
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島田 保昭
大阪府立大学農学部獣医外科学講座
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片本 宏
宮崎大学農学部獣医学科
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片本 宏
大阪府立大学 農学生命科学研究科特殊診断治療学研究室
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米田 直樹
大阪府立大学農学部獣医外科学講座
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島田 保昭
大阪府立大学農学部獣医外科学教室
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島田 保昭
大阪府立大学農学部
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