猫のイソフルレン麻酔下における細胞内Cydic Adenosine 3',5'Monophosphate(cAMP)を増加させる薬剤の心血管系に対する効果の比較(外科学)

概要

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猫のイソフルレン麻酔下において,循環作用薬5薬剤の変力・変時および血管拡張作用の比較を行った.ドブタミン(DOB:2.5,5,10μg/kg/min;n=8)およびドパミン(DOP:1.25,2.5,5,10μg/kg/min;n=5)は強い陽性変力(左心室dP/dtの増加率:89±4%,75±6%)・変時(心拍数の増加率:42±4%,22±6%)作用,ミルリノン(MIL:2.5,5,10μg/kg/min;n=8)および水溶惟フォルスコリン(COL:02,0.4,0.8,1.6μg/kg/min;n=7)は軽度の陽性変力(左心室dP/dtの増加率:18±3%,22±6%)・変時(心拍数の増加率:13±4%,21±4%)作用および強い血管拡張作用(末梢血管抵抗の減少率:-30±2%,-35±7%)を,ブクラデシンナトリウム(BUC:10,20,40μg/kg/min;n=9)は強い血管拡張作用(末梢血管抵抗の減少率:-33±6%)のみを示した.MIL,COL,およびBUCは,DOBとDOPに比べて強い血管拡張作用と軽度の変力作用をもたらした.うっ血性心不全治療に対する非カテコールアミン性薬剤の血管拡張作用は,前・後負荷の有益な低下を認め,DOBおよびDOPの強い陽性変力作用は,急性心不全ならびに麻酔による循環不全の治療において有効と考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文