都営住宅における居住者の人口構造に関する調査研究 (その 1)

概要

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以上, 主に人口諸量の経年変動について, 2・3の視点から分析を試みてきたが, これと文献(4)による, 公団住宅の居住諸人口の変動の傾向と比較・検討を行ないながら, まとめとする。(1) 公団住宅における居住人口の変動は, 新規来住開始後, 8年目程度で定常に達し, その値は2DK-3.5人/世帯程度, 3DK3.8人/世帯程度となっている。これは都営における全経年中の最大値, 1種(この最大値となっている時点の住戸型はおおむね3DKとなっている。)-3.81人/世帯, 2種(同2DKとなっている。)-3.61人/世帯とほぼ一致している。(2) 公団住宅における未就学児童数は, 2DKでは, 3〜4年目のピーク0.9〜1.0人/世帯以後, 10年目の0.7人/世帯程度まで減少する, 3DKでは, 2年目に0.7〜0.9人/世帯程度のピークを迎えて以後, 10年目の0.40人/世帯程度まで減少する。などの経年変動をしている。これに対して, 都営1種における経年変動では, ピーク値はいずれよりも高く, 減少のし方も著しい。又2種は, 1寝室相当住戸面積に差異がある。公団3DKの変動に類似した経年変動となっている。(3) 都営1種の児童数は, 9年目におおむね0.80人/世帯程度のピークを迎えるまで著しい増加をするが, このピーク値は, 公団のいずれの住戸型のものよりも高く, 増加のし方も急激である。ここでも, 2種の児童数変動は, 公団3DKのそれに類似したものとなっている。(4) 年令別教育対象人口については, 一般にm才児数は, (m+1)年目にピークとなるまで増加を続け, 以後減少に転じるという変動をしている事がわかった。又, 年令別移行率iは, 年令によって個有の値をとり, 少なくとも10年目程度までは顕著な経年変動をしていない事がわかった。(5) 都営住宅における居住老人数及び老人世帯数は, 新規来住開始後一様な増加を続け, 1種では20年目以降で0.40人/世帯以上の出現数となり, 老人世帯数は, 全世帯数の1/3以上を占める事となる。
社団法人日本建築学会の論文
1976-12-30

著者

上野淳
東京都立大学

都営住宅における居住者の人口構造に関する調査研究 (その 1)

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