構造記述法による船体構造設計法に関する基礎的研究
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概要
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本研究は船体構造の設計手法として提案された「空間分割による船体構造設計システム」に対して, 設計変更の機能を付加し, 柔軟な設計機能を有する設計支援システムの構築を目的に研究を行った。<BR>以下に本研究によって得られた結論を示す。<BR>(1) 設計における制約には「構造的制約」と「寸法的制約」があることを理解し, この両者を分類し, 整理することができた。<BR>(2) 分割モデルによる部屋の生成は「構造的制約」の生成であると理解することができた。<BR>(3) 寸法の概念を導入するために寸法の記述方法と, 幾何学的拘束関係から幾何情報を算出する方法をシステム内に構築することができた。そして, 設計者の意図を表現することができる寸法記述を可能にすることができた。<BR>(4) 部屋の設計情報 (分割情報) に寸法の概念を導入することによって, 設計情報の記述性を高め, 「寸法的制約」をモデル内に組入れることができた。<BR>(5) 「親部屋」にその部屋の「子部屋」「内部構造」の設計情報を管理させることによって, 設計情報の整合性を維持させやすいシステムとすることができた。さらに, 「親部屋」の設計変更による, 「子部屋」「内部構造」の設計変更を自動的に処理することが可能なシステムを構築することができた。<BR>(6) 「構造的制約」と「寸法的制約」の組合わせによる設計のモデル化によって, 設計手順の記述を可能とすることができた。そして, この設計手順に記述されている設計情報を変更し, 設計手順を再実行することによって, 設計変更に柔軟に対応することが可能なシステムを構築することができた。<BR>以上のまとめのように, 設計の記述モデルの提案による設計のモデル化, 設計変更の対応を可能とすることができたが, 今後, 設計と設計変更を現実化するためには, <BR>(1) 設計の意図と設計変更はどのような関係を持つのか。<BR>(2) 設計の手順と設計変更は対応付けられるものなのか。<BR>(3) 何が設計変更で, 何が設計の再実行であるのか。その境界線は明確なものであるのか。<BR>等, 設計およびそれに付随する設計変更に対する検討が重要であり, これらの検討によって得られるものが設計支援システムの核となるであろうと著者らは考えている。
- 社団法人日本船舶海洋工学会の論文
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