搾乳時の後しぼりの中止が生乳中の体細胞数, 乳量および乳成分に及ぼす影響
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概要
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機械搾乳時における後しぼりの中止が乳房衛生および泌乳機能におよぼす影響を明らかにするために, 手および機械による後しぼりを実施中の39頭の搾乳牛を供試して, 両後しぼり中止後の体細胞数, 乳量および乳成分の変化を調べた。後しぼり中止前の体細胞数の平均値は, 個体乳中が16万/ml, 分房別前しぼり乳中が10万/mlであったが, 中止により個体乳中および分房乳中ともに約40万/mlにまで増加した。その後21日までは1ml中40万〜50万のレベルを持続したが, それ以降は減少傾向かみられ, 49日には中止前と差が認められなくなった。体細胞数の変化の程度には個体によって差異があり, 概ね体細胞数レベルが高い個体および産次の進んだ個体の増加量が大きい傾向が認められた。体細胞数の増加がみられたのは, 後しぼりの中止という通常と異なる搾乳操作が刺激となって牛に大きく影響したためと思われた。乳量には特に顕著な影響は認められなかった。乳成分についても大きな影響はみられなかった。後しぼりの中止により生乳中の体細胞数は一時的には増加するものの, 約7週間で中止前のレベルに戻り, また乳量および乳成分には大きな損失がなかったことから, 作業能率も考慮すると, 少なくとも影響が軽微であった初産牛または体細胞数レベルの低い個体については後しぼりは不要であると結論した。
- 日本家畜管理学会の論文
- 1988-10-20
著者
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