牛舎の移転に伴う搾乳牛の順応について
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概要
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長時間同一の飼育環境で飼育した搾乳牛を, トラックで約70km輸送し, 新しい牛舎で飼育して急激に飼育環境に変化を与えた場合の, 搾乳牛の産乳量と行動の変化, および順応の経過を明らかにする目的で調査し, 次の結果を得た。1)32頭の総乳量は, 移転後第1日目に移転前より119kg減少(減少率16.5%)したが, 2日目以降はしだいに乳量が増加し, 5日目には日量30kg以上の高泌乳牛を除いて移転前の92〜99%にまで回復した。2)パーラーへの入室順位は移転直後に, 上位と中位のグループの牛の間に変化が認められたが, 時間の経過とともに移転前の順位に戻る傾向が認められた。3)搾乳時のパーラー内での排糞牛頭数は, 新しいパーラーの使用開始当初に著しく増加したが, 牛が馴れるに従って減少し, 1週間後には移転前の状態に戻った。4)これらの結果からみて, 70km程度のトラック輸送では牛の疲労も比較的少なく, また, 新しい施設には1〜2週間でほゞ順応するものと考えられた。家畜の管理16(3) : 114-120.1981 1980年11月30日受理
- 日本家畜管理学会の論文
- 1981-03-15
著者
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