採種性の低いメドウフェスク晩生系統における出穂特性への影響要因の解明

概要

論文の詳細を見る
晩生品種・系統は,早生品種に比べて放牧適性に優れているが,穂数が少なく,採種性が劣り,採種栽培技術による採種性の改善が求められている。本研究ではメドウフェスクの極晩生系統「北海9号」を用いて幼若期,春化期,春化期以降の各生育ステージ別に早生品種「トモサカエ」との比較を行うことで,晩生系統における出穂特性への環境要因の解明と採種栽培技術について考察を行った。その結果,「北海9号」は低温・短日条件で幼若期が存在し,春化期が「トモサカエ」より3週間長い21週間で,春化が終了した後も昼温24℃で,夜温19℃の生育環境で出穂を止めることが明らかになった。「北海9号」の限界日長は,14時間であった。また,春化終了後も,連続照明で出穂を促しても両者間には出穂始に差がみられた。「北海9号」は,高緯度のフィンランドで育成した晩生の「Tammisto」を母材にしているために高緯度の生育環境に順化しており,日長が短く,高温な中緯度で出穂しにくいと考えられた。これらの結果より,メドウフェスクの晩生品種・系統における採種栽培では,春化に必要な6℃以下を21週間確保でき,幼穂分化を開始する14時間日長時に15℃前後になる地域を選定し,春から初夏にかけて播種を行うことで採種性の向上が期待できる。
2004-12-15

採種性の低いメドウフェスク晩生系統における出穂特性への影響要因の解明

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク