沖縄本島産ヒトスジシマカ, ダウンズシマカおよびリバーズシマカの交雑実験

概要

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沖縄本島産のシマカ亜属(Stegomyia) 3種, ヒトスジシマカAedes albopictus (Skuse), ダウンズシマカAedes flavopictus downsi Bohart and IngramおよびリバーズシマカAedes riversi Bohartの生殖隔離の程度を明らかにする目的で室内交雑実験を行った。ヒトスジシマカとリバーズシマカ, およびダウンズシマカとリバーズシマカの交雑は, まったく受精が成立せず雑種はできなかった。ダウンズシマカの雄は同種の雌の数が極端に少ない条件下(hide-and-seek test)や交雑実験では, ヒトスジシマカ雌と自由に交尾, 受精し, 少数の正常な雑種(F_1,F_2)が得られた。戻し交雑ではF_1 (albo-downs)の雌とヒトスジシマカの雄の交雑以外の組合せで少数の雑種が得られた。しかし, 正逆交雑で得られた卵は完全に不妊卵であった。このように3種間には程度の差はあるが明らかな生殖隔離がみられた。
日本衛生動物学会の論文
1989-06-15