水田地帯における豚舎トラップとドライアイストラップによって採集される蚊族成虫個体群の 3 年間 (1965-1967) にわたる季節的変動
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概要
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豚舎トラップとドライアイストラップによって採集される蚊族成虫個体群の季節的消長に関する調査が, 1965年から1967年までの3年間宮城県名取市の水田地帯で行なわれた。得られた結果は次の通りである。1.採集個体の99%以上は, コガタアカイエカ, シナハマダラカ, キンイロヤブカ, アカイエカ, オオクロヤブカの未吸血雌成虫であった。2.豚個体群とドライアイス個体群の種類構成は, とくにコガタアカイエカ, シナハマダラカ, アカイエカの相対密度において著しい差異が認められる。3.ドライアイス個体群では, いずれの蚊成虫の季節的消長でもピーク後の個体数の減少が極めて急速に起こる。これは豚舎トラップとドライアイストラップに採集される蚊個体群の年齢構成が異なることによるものではないかと考えられる。4.蚊個体群構造の季節的変化は各トラップとも大体同じ経過を示すが, 豚個体群ではシナハマダラカの優占種になる時期が遅れる傾向がある。5.さらに, 各種個体群の季節的消長および個体群構造の季節的変化の様相は年次的にかなりり変動することが判明した。
- 1974-02-15
著者
-
渡辺 孝男
東北大学理学部生物学教室:(現)東北大学医学部衛生学教室
-
矢島 孝昭
東北大学理学部生物学教室
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吉田 勝一
東北大学理学部生物学教室:(現)東北歯科大学進学課程生物学教室
-
吉田 勝一
東北大学理学部生物学教室
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