高気圧酸素治療後に神経症状の著明な改善を認めたentral pontine myelinolysisの1例
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概要
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症例は51歳, 女性で, 10年以上の飲酒歴があり, 歩行障害, 嚥下困難にて来院した.仮性球麻痺と失調性歩行を認めたが, 貧血以外に血液生化学的検査では異常はなかった.MRIで橋の被蓋, および腹外側を除く部分にT1で低信号, T2で高信号の卵円型病変を認めた.Gd-DTPAによる造影効果はなかった.高気圧酸素治療開始後, 約10日で神経症状は消失した.しかし, 1年後のMRIで病変の縮小は認められたものの残存していた.central pontine myelinolysisにおける高気圧酸素治療の効果はvasogenic edemaの緩解による神経症状の改善に寄与したものと考えられ, MRI上の急性期の変化もこれを反映していたと考えられる.慢性期にはgliosisとなり, MRI上の変化があまり認められないものと思われた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 2000-11-20
著者
-
井上 優
井上脳神経外科
-
柴田 尚武
長崎大学医学部脳神経外科
-
柴田 尚武
宮崎病院脳神経外科
-
安永 暁生
長崎大学医学部脳神経外科
-
井上 優
長崎労災病院脳神経外科
-
柴田 尚武
長崎県立長崎シーボルト大学 大学院人間健康科学研究科
-
安永 暁生
長崎大 医
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