小脳浸潤を示し脳膿瘍を合併したために診断が困難であった中耳癌の1例
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概要
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患者は50歳の男性で,既往に左慢性中耳炎があり,耳漏,頭痛,悪心で発症した.MRIでは左小脳半球に嚢胞性病変,小脳橋角部および錐体骨に実質性の病変が描出され,病歴とMRI所見より慢性中耳炎による感染性肉芽組織が小脳へ浸潤し,膿瘍形成したと考えた.定位的排膿術で起炎菌が分離されたが,抗生剤投与にもかかわらず腫瘤は徐々に増大した.小脳内の腫瘤を摘出したが,病理組織診断は扁平上皮癌であった.原発巣は発見し得ず,慢性中耳炎の部位に発生した中耳癌が膿瘍を伴って小脳へ浸潤したものと思われた.脳膿瘍が他の脳病変に合併した報告もあり,脳膿瘍でも非定型的な経過を辿る場合には積極的な組織診断を行うべきであると考えられた.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1997-10-20
著者
-
三上 貴司
広島市立安佐市民病院脳神経外科
-
沖 修一
広島市立安佐市民病院脳神経外科
-
山口 智
広島市立安佐市民病院脳神経外科
-
川本 行彦
広島市立安佐市民病院脳神経外科
-
桑本 健太郎
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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伊藤 陽子
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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佐藤 斉
広島市立安佐市民病院脳神経外科
-
沖 修一
広島市立安佐市民病院 脳神経外科
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