クモ膜下出血と脳梗塞をきたした中大脳動脈解離性動脈瘤の1例
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概要
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頭蓋内解離性脳動脈瘤は, 比較的少ない疾患であるが, 近年脳血管撮影の普及によって増加傾向にある.われわれはクモ膜下出血にて発症し, 脳梗塞をきたした中大脳動脈解離性脳動脈瘤の1例を経験したので報告する.症例は, 48歳男性.1998年3月14日, 庭で作業中, 突然気分不良, 頭痛を自覚した.その後言葉が喋れなくなり, 当科を受診した.受診時, 意識はJCS3であり, 右片麻痺, 失語を認めた.頭部CTでは, 中心溝に限局したクモ膜下出血を認めた.脳血管撮影では, 左中大脳動脈anterior trunkおよびmiddle trunkの2枝にわたる狭窄像を認めた.翌日の頭部CTにてクモ膜下出血のあった部位に一致して, 楔形の脳梗塞を認めた.経時的脳血管撮影において, insular portionの2枝は分節状の拡張像と狭窄像の混在を認めた.また, MRIにて同部位に一致して壁在血栓を描出し得た.これら所見より本症例は, 左中大脳動脈(insular portion)の2枝にわたる解離性脳動脈瘤と診断した.初回脳血管撮影にて中大脳動脈の狭窄像を認めるのみであり, クモ膜下出血をきたした原因が同定できなかったため保存的に加療している.今後手術を念頭におき, 脳血管撮影および3D-CTAにて経過観察している.
- 2001-11-20
著者
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沖 修一
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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並河 慎也
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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川本 行彦
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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桑本 健太郎
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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右田 圭介
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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山本 恵子
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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沖 修一
広島市立安佐市民病院 脳神経外科
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