慢性硬膜下血腫に対する経皮的硬膜下穿刺での血腫初圧と再発率
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概要
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成人慢性硬膜下血腫の血腫初圧は,再発因子として検討されたことはほとんどない.そこでわれわれは,経皮的硬膜下穿刺術を用い,血腫初圧を含めて再発因子を検討することとした.初回手術として血腫初圧が測定でき,血腫が片側性であった成人慢性硬膜下血腫71例を対象とした,再発は19例(23%)であった.年齢,性別,術前の神経所見,飲酒歴,外傷既往,高血圧症,糖尿病,抗血小板薬,抗凝固薬の有無,CTでの血腫容積,血腫初圧について検討した.血腫初圧は,非再発群で12.6±4.5cmH_2O,非再発群で15.5±6.2cmH_2Oであった(p<0.05).その他の因子は,CTでの血腫容積(非再発群92±45ml,再発群123±43ml,p<0.05)を除き,2群間で有意差を認めなかった.血腫初圧が高い場合,再発のリスクが高く,術後十分な経過観察が必要と考えられた.
- 2012-04-20
著者
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村上 太郎
広島市立安佐市民病院 脳神経外科
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川本 行彦
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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岡村 朗健
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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吉岡 宏幸
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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米澤 公器
広島市立安佐市民病院脳神経外科
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