中大脳動脈瘤の手術(<特集>脳動脈瘤手術のコツ)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
中大脳動脈瘤と一口にいってもさまざまで,動脈瘤の発生部位,大きさ,枝の分岐,脳内血腫の有無によってそのアプローチの方法は違ってくる.ICからM_1を順に辿るproximal approachとM_2から直接M_1一動脈瘤をアタックするdistal approachの二通りに大きく分けることができるが,どちらか一方に固執することなく状況に応じて,より安全で脳に対する障害が最も少ない方法を使い分けるべきであろう.Temporary clipはできるだけ避け,使用する場合は10分以内とし,脳保護剤を併用する.Wide neckなものにはbody clippingが原則であり,動脈瘤から直接梗が出ている場合には,血管内腔が十分な大きさになるようブレードの長さ,蛮曲,角屋の最も適した複数のクリップを組み合わせ,残った部分はペンシーツで包む.脳内血腫を伴う場合はHunt grade IV〜Vといえども手術の適応があり,決して諦めてはならない.攣縮予防にはクモ膜下血腫除去が最適であるが,insular cistern末梢のものは血栓溶解剤の髄腔内投与でできるだけ溶かし,残った部分を薬物治療に期待する.
- 日本脳神経外科コングレスの論文
- 1992-10-20
著者
関連論文
- 急性期脳梗塞に対する蛋白リン酸化酵素阻害剤 : 塩酸ファスジル(エリル)の効果 : 二重盲検試験の結果
- クモ膜下出血における術中血腫溶解洗浄の工夫 : Intraoperative automatic head shaking systemの開発
- 小児頭蓋底腫瘍に対する手術法の選択
- 脳室穿破により急変したノカルジア脳膿瘍の1例
- 脳幹部症状で発症し大後頭孔まで進展した頭蓋咽頭腫の1例
- 中大脳動脈瘤の手術(脳動脈瘤手術のコツ)
- チタンクリップのCT, MRIおよび力学的特性
- 脊椎・脊髄手術用レトラクターシステムの開発
- 微小血管の側々吻合の基礎的検討および臨床応用
- 中大脳動脈閉塞ラットにおける脳内セロトニン代謝の変動 : 脳血流および脳代謝の変動との関連
- 中大脳動脈閉塞ラットにおける脳内カテコラミン代謝の変動 : 脳血流および脳代謝の変動との関連
- Optic gliomaの長期予後
- 2.Idiopathic hypertrophic spinal pachymeningitisの1例(一般演題II,第32回中部脊髄外科ワークショップ)
- 3.頸髄および小脳に発生した多発生neurenteric cystの1例(一般演題II,第30回中部脊髄外科ワークショップ)
- 2.Dumbbell型cervical meningiomaの1例(一般演題III,第28回中部脊髄外科ワークショップ)
- 透析患者における頚椎破壊性脊椎関節症 9 例の経験
- MRI T2 強調画像での髓内高輝度病変と神経症状との関連 : 手術を行った頚椎脊椎症・後縦靭帯骨化症 78 症例での検討
- SLEに合併したくも膜下出血の1例
- 蛋白リン酸化酵素阻害剤 : 塩酸ファスジルの開発と臨床応用
- 破裂脳動脈瘤部位別のCT所見と脳血管攣縮, 水頭症および予後との関連
- 12. 動静脈奇形を伴った巨大脳底動脈瘤に対する脳底動脈クリッピング:-臨床経過と剖検所見-
- 急激な意識低下をきたした traumatic SAH の1例