アカネ科の花の形態 : II. フタバムグラ連
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フタバムグラ,ケニオイグサ,ソナレムグラ,ハシカグサなどフタバムグラ属の9種について花の内部形態を調べた.フタバムグラ属の子房は2室で,胎座が大きくふくらみ細い柄で隔壁とつながっていて,その表面に小さい胚珠を多数つける.しかし子房室中の種子数が 1〜6 個など比較的少い種のあることが報告されていて,フタバムグラ属の定義が不明瞭となっている.今回3種について再検討したが,従来の報告によりはるかに多い種子をもっていた.子房頂端部の花盤は図8-E のように著しく発達するものから,図10-A のように全く盛り上りのみられないものまである.しかし外部形態的に花盤が認めにくい場合でも,図7-G や10-A のように子房頂端部で分散する管束が観察される.まだ断定的なことはいえないが,花盤が二次的に退化することがあると思われる.花の管束走行は図10のようになっている.子房周辺部において,がく,花冠,雄ずい,花柱へ入る管束は,図10-E の点線でつないだように,互いに合着し,さらに花盤へ分散する管束が合流し,図10-B〜D のようになっている.がくは1管束性で,花柱へは心皮の背側管束が入る.胎座へ入った管束は細かく分裂し各胚珠へ入る.
- 日本植物分類学会の論文
- 1978-11-30
著者
関連論文
- Contributions to the Flora of Southeast Asia I : Taxonomy and Phytogeography of Some Temperate Species in Thailand
- アカネ科の花の形態V
- タイ国産アカネ科雑記2
- ヒルギモドキ属(シクンシ科)の花の内部形態
- Contributions to the Flora of Southeast Asia III : Hedyotis (Rubiaceae) of Thailand
- タイ国植物調査記
- タイ国産アカネ科雑記
- アカネ科の花の形態IV
- タイ国産アカネ科雑記1
- アカネ科の花の形態 : III. フタバムグラ連
- アカネ科の花の形態 : II. フタバムグラ連
- アカネ科の花の形態 : I. フタバムグラ連
- インドシナおよびタイ国産スイカズラ科について
- スイカズラ科の分類学的研究2
- レンプクソウの花について
- タイ国産フタバムグラ属の新植物
- リソネソウ連の花序