インドシナおよびタイ国産スイカズラ科について
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概要
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インドシナ三国およびタイ国のスイカズラ科植物について再検討した.とり上げた8種のうち,日本に関連する植物について要約する.タイ国のソクズには核果が赤系統のものと黒系統のものがみられることはすでに報告した (分類地理22巻 165頁) .1967年の調査の際に観察したところでは,タイ国北部には赤実系統のソクズが点在し,しかも高度 1000 m 以上の場所に限られている.一方黒実系統のものはそれより低い高度にみられる.なお標高 1000 m 付近では,六甲山におけるタニウツギとヤブウツギのように,両系統が隣接して生育している.日本の西南部にも自生するキダチニンドウは,花や葉の裏面などに腺点があることで,近縁種とは容易に識別できる.パリ自然史博物館に収蔵され,Lonicera macrantha として発表されていた標本の中に,上記の特徴からキダチニンドウと同定される標本が一点合った.これでベトナム北部にも本種が分布することが明らかとなった.
- 日本植物分類学会の論文
- 1976-09-30
著者
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