西南日本の植物雑記III.九州から南西諸島にかけてのノジギク群の分布と分類

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
九州南部から南西諸島にかけては, 染色体数の倍数性と地理的な分布域ではっきりと区別されるノジギク, サツマノギク, オオシマノジギクの3種のノジギク群の野生菊が分布している。これら3種の染色体数, 葉の毛の変異, 地理的な分布について調査し, その結果を報告した。この中で, 屋久島からトカラ列島にかけての地域の野生菊はサツマノギクと同じ8倍体の染色体数(2n=72)を持ち, その点ではサツマノギクから種として区別する必要は認めないが, 集団中に, 葉の裏のT字状の毛の粗密に著しい変異が認められるので, 変種トカラノギクとして記載した。トカラノギクは, 分布域が島として隔離されているだけでなく, サツマノギクとの中間地帯には6倍体のノジギクが分布し, 集団としても隔離の程度は高いものである。
日本植物分類学会の論文
1996-07-10

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク