西南日本の植物雑記V. : 九州南部から琉球列島にかけてのボタンボウフウの分類学的再検討
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概要
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九州南部・琉球列島地域のボタンボウフウ(広義)の外部形態(茎の直径と長さ,花茎長,植物体の高さ)と生態特性(開花期間,繁殖様式)の地理的変異を明らかにして,分類学的再検討を行った。その結果,3つにタイプわけできた。i)植物体の高さは100cmほどで秋に開花をし,多回結実性の植物を多く含む集団群,ii)植物体は150cmを超え,主に夏に開花をし,一回結実性の植物のみからなる集団群,iii)植物体の高さは約100cmで,夏に開花し,多回結実性植物を含む集団群。これらの集団群は地理的にもまとまりを示し,最初のタイプは九州西部から北に,二番目のタイプは九州南部からトカラ列島(宝島を除く)まで分布しそれらはボタンボウフウ(狭義),コダチボタンボウフウに一致している。三番目のタイプは宝島,奄美大島以南によくみられ,それをナンゴクボタンボウフウと呼ぶことを提案する。
- 2000-09-12
著者
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瀬尾 明弘
総合地球環境学研究所
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堀田 満
西南日本植物情報研究所
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瀬尾 明弘
京都大学大学院理学研究科植物学教室:(現)総合地球環境学研究所
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堀田 満
鹿児島大学理学部生物学科
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瀬尾 明弘
京都大学大学院理学研究科植物学教室
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堀田 満
鹿児島大学理学部地球環境科学科
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