西スマトラからのサトイモ科の1新種, Homalomena monandra
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概要
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西スマトラからサトイモ科Homalomena属の1新種を記載する。種小名のように雄花が1本の雄しべからなる, この属としてはまったくの変わりものであるが, 外部形態は西マレーシア熱帯に最も普通に分布しているH.pendula Bukh.f.とほとんど区別がつかないほど似ているものである。この新種は西スマトラでは普通に見られる種であるが, ライデン, シンガポール, ボゴールなど, マレーシア熱帯の植物標本を多数所蔵している標本庫には, ボゴールに1枚だけ所蔵されていただけで, 新種に当たる標本がまったく見当たらない。なぜそのようなことになっているのかについては, よくは判らないが, 多分普通種のH.pendulaにあまりにも似ているから, だれもが採集をしなかったのであろう。西スマトラではH.pendulaも普通種であるが, われわれが採集をおこなった地域からの標本は, これらの植物標本庫にはわずかしかないことは, この推定を確からしくする事実である。
- 日本植物分類学会の論文
- 1993-12-30
著者
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