兵庫県新産のウンヌケ(イネ科)の分布とその生育環境
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概要
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兵庫県東播磨地方において, これまで近畿地方から記録のなかったウンヌケ(Eulalia speciosa)の新産地を見いだした。東播磨のウンヌケは, 流紋岩類からなる丘陵地の溜池の土手や禿山の草地に群生しており, これまで約30ヵ所の自生地が確認されている。新産地を含む日本列島におけるウンヌケの分布図を各地の標本庫に収蔵されている標本に基づき提示した。東播磨地方においてウンヌケの生育を維持してきた主な要因は, 古くからの人為作用と乾燥した気候, それに伴う山火事の多発による禿山の形成にあると考えられる。さらに, その周囲に多数存在する溜池の土手草地が, 近年における禿山の緑化や遷移の進行によるウンヌケの生育通地の減少に対して, レフュジアとしての機能を果たしてきたものと推測される。
- 日本植物分類学会の論文
- 1998-02-28
著者
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